タクノ

■作者紹介
タクノさんは、アクリル画の作品を制作しているアーティスト。
自身の作品制作の他に自らが主催でグループ展の展示を行っています。
タクノさんの作品制作や活動についてインタビューを行いました。


・芸術、美術関係に興味が湧いたきっかけはありますか
きっかけというきっかけもないですが、幼い頃から絵を描くことが好きで、学生時代には日本画に取り組んでいました。
ちょうどその時期、写真に興味を持ち始めたため 筆を握る時間がなくなったこともありますが、好きな風景を撮影して描いてみれば写真も絵も両方できるなってことに気づいて、それからは好きなことを並行して進めている感覚です。


・どのような作品を制作されていますか。(技法、コンセプト、モチーフなど)
主に都会の風景、特に人工の光に照らされた孤独や倦怠、目には見えないけどたしかに存在するような違和感や不穏をテーマに制作しています。
基本的には現地で撮影したものを資料に、アクリル絵の具を使用しています。

誰の目にも留まらないような、見過ごされがちな日常の片すみを捉えて記録していくような感覚ですね。
小学生の頃から、みんなが外へ出て青空や校舎を描いているなか、ひとり室内にのこって渡り廊下の隅でホコリをかぶった消火器を描いていたくらいなので、よほどそういう"変なモノ"が好きなんだと思います(笑)

 


・今回ご提供頂いた作品について教えてください。(作品詳細など)
  
 「PM9:30」
作品はこちらから
  
 「外へ。仰々しく」

作品はこちらから


今回選ばせていただいた2作品は、どちらも僕の好きな駅構内や周辺施設で撮影したものを資料に制作しました。
1日の始まりと終わりを、カラッとした色彩を多用した「外へ。仰々しく」と気だるい色づかいの「PM9:30」で対表現してみました。


・作品の制作手順や方法などを教えてください。
基本的には気になった風景を撮影して、余白の美しさが活かされるような構図にトリミングして、あとはその日の気分で描けるところまで描き進めるという感じですね。
集中力が切れるか、手元のお菓子がなくなったりしたらその日の作業は終了です。


・色数を絞った作品が多い印象を受けたのですが何か理由などはありますか?
物悲しくて、鬱屈とした都会の風景に、鮮やかな色彩はそぐわないというのが持論なので、多色遣いする場合も、カラーバランスには気をつけています。

徹底的に色彩を絞ったモノクロ表現のときもあれば、多少手数を増やして描くときもあるのですが、基本的にはカラフルになりすぎないように、活き々きとした絵にならないように心がけてます。

 

 

・一番思い出に残っている作品やプロジェクトがあれば教えてください。
今年の6月に主宰をさせていただきました「THE LOBBY」展は、これまでの集大成という感覚が自分のなかにありまして。
参加作家様や、お客様方、会場となったギャラリー様、すべての要素が高純度で溶け合ったひとときになったなと思っています。


・将来の展望や目標を教えてください
CDやレコードのジャケット、書籍のカバーイラストや挿画などに興味がありますね。
自分の作品が表紙になった本を、コンビニの雑誌コーナーで眺めることができるような日が来たらいいなと思っています(笑)


・読者の方になにか、伝えたいことをお願いします。
壮大な風景画や、かわいらしい動物画も魅力的ですが、「なんでこんなとこ描いたの?」って思えるような日常のキリトリを美しいと感じる作家もいるんですよってことを知っていただけると嬉しいです(笑)


タクノ
愛知県在住

過去の個展 / グループ展経歴
(グループ展は運営に携わったもののみ)

個展
2018年
「十雲十色」
2022年
「Ecke」

グループ展
2020年
「NEW COLORS」
2021年
「La Campanella」
「Giselle」
「Black Box」
2022年
「Double Cast」
「THE LOBBY」

INSTAGRAM
@__takno__