小黒アリサ



■作者紹介

小黒アリサさんは、木彫の作品を制作しているアーティスト。
「球獣」という生き物の持つ丸みをデフォルメした木彫作品を多数制作。
木の温もりと思わず触れたくなるような生き物の木彫作品は多くの人を虜にしています。

 


■美術の道を志したきっかけは何ですか?
環境や恩師との出会いがきっかけだと思います。
母が紙粘土教室の先生をしていたので、誰かが物を作っているという姿が当たり前に日常にありました。でも、私自身の幼少期は、特別つくることに興味がないまま過ごしていました。
明確に美術の道を志したのは、中学3年の先生との出会いがきっかけです。
通っていた学校は芸術系に進む人は少なかったのですが、出会った先生が発想力を大切にしてくださる方でした。先生から発想力を褒められることが嬉しかったのを覚えています。
そこから美術大学へ進学して、作家として今も活動しています。


■「球獣」について教えてください
「球獣」は、元々根付彫刻の造形から派生した彫刻作品です。
学生のころに骨董市に行き根付彫刻を集めていて、自分でも作ってみようと作り始めました。根付の丸いフォルムに魅了されました。
私も丸いフォルムを大切に多幸感を感じてもらえるように制作しています。
多幸感を全国に広めたい!という目標で制作を続けています。
今後は「球獣」を全国に普及していきたいです!!
最近は、作品を見てくださっている方々と一緒に球獣物語を作り上げているような感覚があって楽しく、自分でも想像出来てなかったストーリーができていくのがとても嬉しいです。
ー確かに、球獣の作品シリーズは複数集めて飾りたくなる気持ちになりますね



■「球獣」はどのように制作をしているのでしょうか
素材は檜や楠や外国の木材など色々と使っています。
木材ありきで作品をつくることが多いです。
木目や木を見て、直接素材に絵を描くことが多いです。
角の部分などは接ぎ木していますが、基本的には一木で制作しています。
小さい作品であれば、最初は電動工具などで削って形をつくり、彫刻刀で細かいところを彫っていきます。大きい作品の粗彫りはチェーンソーを使っています。作品によって制作時間は異なります。


■印象に残っている展示会やプロジェクトがあれば教えてください
工芸家の方とコラボレーションして制作した作品が印象に残っています。
工芸家の方との交流はとても刺激になっています。
漆芸や竹工芸、陶芸。伝統を守りながら新しいものを生み出す苦悩を間近で感じられました。
一緒に作らせていただいたひとつひとつの作品に対する思い入れが強いです。
それでもやはり根幹にあるのは、自由な発想だと感じています。

ジャンル分けとかカテゴリとか気にせずに活動していきたいです。


■将来の展望や目標を教えてください。
専業作家として活動していましたが、以前から興味があった中高の非常勤講師を今年度から始めました。自分が美術へと進むきっかけとなった先生の影響か、美術教育に興味が沸いています。私も「発想力・創造力」の楽しさを伝えたいと思っています。
あとは、地元に美術館をつくりたいという人生の目標があります。
作家として活動を続けていくうちに「作品を守る方法は何があるか。守り伝えるスペースをつくりたい。」と考えるようになりました。
現在は目標に向かって、学芸員の資格をとろうと勉強中です。
美術館の中のスペースで美術教育ができたり、美術の体験教室を開いたりできたらいいなと想像しています。地元には多摩動物公園があるのでその近くに動物アート専門の美術館とかできたら楽しそうですね!
作家としては作品を作り続けて、全国展開したいです。
多幸感フォルムを全国へと届けていきます!


ー「発想力があれば、あとは形にするだけ」ですね!素敵な美術館になりそうです。実現を楽しみにしています!


■読者へ何かありましたら、一言お願いいたします。
近寄りがたいアートの世界だと思うのですが、もっと身近に感じられるような作品を制作していきたいです。いつか私の作品をどこかで見かけたら、ぜひ自分の球獣物語をつくっていただけたらと思います♪最後までお読みいただきましてありがとうございました!

 


小黒アリサ oguro arisa 木彫
丸みを誇張した生き物(球獣)を木彫で制作
東京都生まれ
武蔵野美術大学 彫刻学科 卒業

【 個展 】
2022 The circle of life(日本橋三越)
2021 上向(新宿髙島屋)
2021 縁起うさぎ展(一畑百貨店 島 根)
2019 ヨリドコロ ( 阪神百貨店 )
2019 和魂の球霊獣(大阪髙島屋 ギ ャラリー NEXT)
2017 本日も、球獣びより(日本橋三越 アートスクエア)
2015 小黒アリサ展-たまとけもの-(銀座三越∞ギャラリー)

【 グループ展 】
2020 和光歳時記(銀座和光)
2019 香港国際アンティークフェア(WADOブース)
2018 融合する工芸(銀座和光)
2017 Life on this planet(‛18、‛19 東京アンティーク企画 )
2016 融合する工芸(大阪高島屋)
2016 武蔵美 × 伊勢丹セレクション(新宿伊勢丹 5 階ギャラリー)
2016 MITSUKOSHI ART CUBE(日本橋三越 新館 7 階ギャラリー)
2015 武蔵美 × 伊勢丹 (新宿伊勢丹)
2014 シブヤスタイル vol.8 (西武渋谷)
2013 GIFT in BLOOM Vol.6〈以降‘14 Vol.7、‘15 Vol.10 出品〉
(銀座三越 8 階ギャラリー)