小笠原英輝

■作者の紹介
小笠原英輝さんは、動物をモチーフにしたペン画の制作を中心に活動されているアーティスト。
繊細でどこか温かみのある作品を描く小笠原さんにインタビューして参りました。

 

【The beginning of a dream】
現実の自己と夢、あるいは理想となる自己と夢。両者は2つで一つでありながらも、互いに干渉し、再び夢を見続けるものというイメージで描きました。

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【隠れ家】
普段気にならなかった事でも、目を凝らしてみると様々な発見をする事が出来るものです。
見つける事の楽しさを感じてもらえると幸いです。

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■どのようなテーマで作品を制作していますか。
空想と現実の狭間をテーマに作品制作をしています。
動物をモチーフにしているのは単純に好きで生命を描きたいと思ったからです。
絵画としての面白さを見出しつつ、動物の生き生きとした部分を表現できればと思ってます。
絵であるからこそ表現できるものがあると思い、試行錯誤して可能性の幅を広げれればと思っています。

■どのように作品を制作しているか教えてください。
作品を制作する際には、特に構図を重要視しています。
自分が絵画出身ではないこともあり、構図で作品の印象がほとんど決まると思っています。
まず構図や構成(動物のポーズなど)を決めて、力の向き流れを決めていく中でモチーフとなる動物が決まり、
次に色彩を決めています。
道具は主にペンを使って描いていて、色も調合して自作することが多いです。
ペンは細かく描く事が出来ますが、ただ細かく描くのではなく後で細かさが活きてくることを意識しています。

 


■絵画出身ではないというのは、大学では別のことを学んでいたんですか 。
はい、大学では建築について学びました。
なのでもちろん課題は絵ではありませんでした。
ただ日常的に絵画作品を見ていたので目は肥えたと思います。
建築は好きですが、設計をする能力が足りないと実感しました。
自分がやりたい事とできる事は違うんですよね。
そのときに感情をぶつけるものが絵でした。
学部は建築関係でしたが、卒業制作は廃墟の街の絵を描いて提出したんです。
教授には「変わっている」と思われていたと思います。

■なるほど、そういった背景が構図へのこだわりへとつながっているんですね 。
そうですね、他のアーティストの方との違いにはなっていると思います。
一般的に絵を描く際は2次元を2次元に起こすことが多いのかなと思ってますが、
自分は建築出身なので、3次元的に構図を考えることが多いです。
絵画技法でいうと透視法、遠近法、生物学的な骨格などを考えて制作しています。
現実世界を2次元の世界に起こすのが面白いですね。

■絵を描くことは昔から好きだったんでしょうか。
はい、好きでした。
中学高校生あたりには将来の夢を漫画家のように暮らすことを夢みていました。
当時の自分は漫画家=絵で食べるイメージだったので。
漫画家ではないですが、ありがたいことに忙しく制作活動をしています。
ずっと絵を描いて暮らしているので、夢は叶っているのかもしれませんね。

■ありがとうございます。最後に読者に伝えたいことはありますか 。
最近デジタルが主流になっていますが、手作業ならではの良さもあるので是非原画もみてほしいです。
生き物の生き生きとした姿をみることで安らいだり、何か感じることがあればうれしいですね。